宗教はものの見方をどのように変えるか?

New Scientist より。
■ 宗教は視覚的な知覚を変化させる
Religion alters visual perception
信仰心をもった人と、そうでない人。今回発表された新たな研究によると、両者の間でものの見方にはっきりとした違いがあることが明らかになりました。ものの見方といっても、文字通りの意味です。
これまでにも、文化によって視覚的認識の仕方に違いがあることは指摘されていました。例えば、以前にこのブログで紹介した研究では、アジア人は写真の全体を視野でとらえるのに対して、北米人は中心となる物体をじっと見つめる傾向があることが指摘されていました。(参照::文化はものの見方を左右するのか)
さて今回、オランダのライデン大学の心理学者 Bernhard Hommel が行った実験によると、文化的な背景が同じであっても、信仰によって視覚的な認識に違いが生じることが明らかになりました。
彼のチームは、キリスト教徒(カルヴァン派)と、無神主義者からなる40名の大学生を集め、とある視覚テストを受けてもらいました。
彼らは被験者たちにある図を見せました。たくさんの小さな三角形または正方形が寄せ集まって、1つの大きな三角形あるいは正方形を形づくっている図です。被験者たちは、設問に応じて、この図の全体あるいは要素の形(三角形か?正方形か?)をできるだけすばやく答えなければなりませんでした。
結果はこうでした。いずれの被験者も、要素より全体の形の方がすばやく答えることができました。ですが、要素の形を答える時間を測ってみたところ、カルヴァン派信者の方が、無神論者よりも平均して30ミリ秒みじかい時間で回答できていたことが分かったのです。
カルヴァン派といえば禁欲的な信仰生活を教義にもつ宗派です。Hommel は、外部の邪魔物よりも自己に注目するというカルヴァン派のやり方が結果に現れたのでは、と述べています。彼らは人生の多くを自己を気にかけることで過ごしてきたため、ものの見方が内向きになっているのでは、というのが彼の考えです。
なるほど。教義との関係づけの仕方にすこし強引さを感じなくもないですが(教義そのものが原因だとは言い切れないはず)、結果自体はとてもおもしろいなと感じます。
ひとくちに信者といってもその信仰の深さには個人差があるでしょう。やっぱり信心深さの度合いによっても見方に違いが現れるのかな?
【参考リンク】
・元論文:Losing the Big Picture: How Religion May Control Visual Attention











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