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世界最速のプログレスバーを探す試み


 New Scientist より。

■ 視覚のトリックはダウンロードを速く見せられる
 Visual tricks can make downloads seem quicker

 プログレスバーと言えば、ウェブコンテンツのダウンロードのときなどによく目にするものです。完了するまでの間、バーを見つめてジット待っているのは苛立たしいものです。そこで、バーの外観をうまく工夫して、せめて体感速度だけでも縮めようという研究が行われています。

 今回、米国・カーネギーメロン大学の Chris Harrison、Zhiqaun Yeo、Scott Hu らは、点滅や縞模様のアニメーションを使って目の錯覚を引き起こす方法を提案しています。

 彼らは、いくつかの種類のプログレスバーを作成しました。その一つは、バーが青白に点滅するもので、満タンに近づくについて点滅の時間時間が長くor短くなるようになっていました。また別のものは、青白の縞模様が左右いずれかに動くものでした。いずれも5秒かけて満タンになります。実物をリンク先の動画で見ることができます。

 効果を調べるべく、20名の被験者が集められ、2つのプログレスバーを見てどちらが早いかを答えるというテストを受けました。

 結果はこうでした。点滅するバーを見たとき、多くの被験者が、点滅が次第にゆっくりになるときよりも、次第に速くなるときの方が、ダウンロード時間は短いと判断しました。また、縞模様の動きが右向きよりも左向きのほうが、ダウンロード時間は短いと回答しました。

 さらに研究者らは、満タンに近づくにつれ縞模様の(左向きの)動きがだんだん遅くなるバージョンも用意しました。多くの被験者は、一定速度の縞模様よりも、このような次第に減速するアニメーションの方が短いと感じました。現行の多くのプログレスバー(例えば Mac OS X もそう)にも改良の余地があることを示しています。

 では、このような縞模様のアニメーションの効果はどのぐらいなのでしょうか? 彼らは今回の結果を定量的に評価すべく、点滅も縞模様もないバーと、縞模様が減速する今回のバーとの体感速度を比較しました。前者(点滅・縞模様なし)の所要時間を5秒に固定して、後者(減速する縞模様)の所要時間をさまざまに変えて被験者に見てもらいました。結果、5.61秒に設定した後者のバーが、5秒に設定した前者のバーと同時間と認識されることが分かりました。つまり、約10.9%のスピード向上の効果が見られたことになります。

 なるほど。縞模様をだんだん減速させたほうが速く感じられるというのは面白いですね。どういう原理が働いているのでしょう。「がんばってダウンロードしてる感」が最初にユーザに示されるのがよいんですかね(超適当に言ってます)。仕掛けひとつで、人間の目で分かる違いが出てくるのはよいですね。実装も簡単そうですし。減速ありとなしの場合の比較もやってみて欲しいところです。

【参考リンク】
・元論文:不明。2010 Conference on Human Factors in Computing Systems という学会で発表されるそうです。

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