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+と-の電荷が引き合わない例が見つかった


 Sciense NOW より。

■ 液滴の場合、正反対同士は反発しあう
 In the Case of Droplets, Opposites Repel

 正と負、逆の電荷をもった物体は互いに引き寄せあう。言うまでもなくこれは何百年ものあいだ常識とされてきた現象ですが、今回 Nature 誌に報告された研究によると、ある条件ではこれと正反対の現象、つまり物体が反発しあうことが分かりました。

 この発見をしたのは、カリフォルニア大学の化学工学者 William Ristenpart らです。彼らは、きわめて大きな電荷をもった液滴にかぎっては、逆電荷の液滴どうしを近づけてもくっつこうとせず、むしろ元の形に戻ろうとすることを発見しました。

 一体どのような仕組みなのでしょうか? 彼らはこれを解明すべく、高速ビデオカメラを使って液滴の形状を調べました。

 結果、カギは液滴の表面にできる円錐状の変形にあることが分かりました。異なる電荷の液滴を近づけたとき、液滴の形に変化が生じます。相手に近い部分の表面が盛り上がって、山のような形になるのです。中程度の電荷の場合、山はずんぐりとした低い形になります。しかし一方で、高電荷の場合は鋭くとがった形の山ができるのです。

 この違いがどう効いてくるのでしょうか。さらに近づけていって二つの液滴が接触すると、両者のあいだに細いブリッジができます。このとき、接点部分の電場の大きさは打ち消しあって非常に小さくなるため、液滴の形状はおもに表面張力のみに依存して決まることになります。

 表面張力は、山の角度によって働く向きが変わります。ずんぐりした山の場合、表面張力は引き合う方向、つまり液滴が一つになる方向にむかって働きます。一方、とがった山の場合、引き戻す方向に働きます。結果、ブリッジは壊れ、液滴どうしが反発するようにふるまうのです。

 実際、かれらは。両方のふるまいの境目となる角度と電荷、すなわち「臨界角」と「臨界電荷」があることを突き止めました。

 今回の結果は、石油工業への応用が大きく期待されています。現在、原油から水分を取り除くプロセスでは、電界をかけるという処理が行われており、この処理で効率化がはかれるようになるだろうと述べています。

 リンク先の元記事には、液滴がぶつかる様子をとらえたムービーがあります。二つの液滴がビリヤードの球のようにバウンドする姿が見られますのでどうぞご覧になって下さい。それにしてもよくこんなバッチリな瞬間を撮影できたなあ・・・。

【参考リンク】
・元論文:Non-coalescence of oppositely charged drops

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