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花火にもエコの時代がやってきた


 ABC Science より。

■ 花火が環境に少しやさしくなった
 Fireworks to became a little greener

 花火の季節がやってきました。本日7月4日はアメリカの独立記念日で、全土のあちこちでお祝いの花火が打ち上げられていることでしょう。しかしながら、環境問題の関心が強まっている昨今、エコへの動きはどうやら花火にまでも広がっているようです。

 今回あらたに発表された記事によると、環境への悪影響の少ない材料をもちいた花火が開発されたとのことです。

 この研究を行っているのは、米国ニューメキシコのロス・アラモス研究所の David E Chavez らです。彼らは、花火に含まれる化学物質が、周囲の人々にどのような健康的な影響をおよぼすかの調査を行っています。

 多くの方がご存じの通り、花火のカラフルな色は、金属を燃焼させることによる反応(炎色反応)によって生まれています。火薬の中に、色火剤と呼ばれる金属の化合物が入っているのです。これらの金属元素は、色を出した後、なんらかの化合物として空気中を漂い、やがて地上に到達することになります。

 いくらかの金属は、色を生み出す上で欠かせない一方で、人体にとって有害になることがあります。たとえばアンチモン(Sb)は白色を作るのに用いられますが、一方で肺や心臓、胃などに害をおよぼします。また、バリウムは緑色に用いられますが、胃腸管や心臓にとって有害です。

 さらに過塩素酸塩(過塩素酸イオン(ClO)を含むイオン結晶)は火薬の材料として用いられます。動物実験では、カリウムやアンモニウムの過塩素酸塩が甲状腺を引き起こすことが示されています。

 さて、2007年に発表された彼らの研究(*1)では、オクラホマ州の湖で7月に行われた独立記念日の花火の後で、付近住民の身体の状態がチェックされました。この調査によると、大会の14時間後に、過塩素酸塩のレベルが通常より1000倍に上昇していることが分かりました。上昇前のレベルに戻るのに20~80日もの日数がかかっていました。

 また別の調査では、同州のエイダ湖で、花火の前後で湖水の過塩素酸塩のレベルが1000倍にアップしていました。これは州が飲料水として認めている上限よりも高いレベルです。

 と、このように、実際の悪影響の有無についてはさらなる議論が必要なものの、今回、従来の花火の代替となりえる化学物質があらたに考案されました。

 彼らが開発した花火は、窒素をベースにした燃料にし、さらに酸化剤に硝酸塩を用いた花火です。これらは従来の炭素ベースの燃料とは異なり、過塩素酸塩の使用が不要になります。この新しい燃料によれば、従来と比べバリウムの量が10分の1で済ませることが可能になります。また、煙の量も従来より抑えられ、健康面のほか、より花火が見やすくなるというメリットがあります。

 しかしながら現在は、コストの問題のため普及はむずかしい状態です。政府によって花火の物質に規制がかかるようにならない限りは、価格はダウンしないだろうと専門家は述べています。

 なるほど。。花火大会に行くとほんのり漂ってくる火薬の匂いも、将来には別のものになってるかもしれないわけですね。ちなみに今回の話はすべて米国の話ですので、日本ではどういう規制があるのか、どういう化学物質が使われているのか、といった点はあいにく分かりません。似たような状況なのかな。

【参考リンク】
Pyrotechnics For The Planet
・(*1)Perchlorate Behavior in a Municipal Lake Following Fireworks Displays

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