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アメフトに負けると心臓病に?


 ABC Science より。

■ フットボールの敗北は心痛よりひどい
 Football loss causes more than heartache

 スポーツの大きな試合で、大ファンのチームが負けてしまった・・・、こうした出来事は、気持ちをガッカリさせるというだけでなく、実際に健康上の問題を引き起こしているかもしれないと新たな研究は示しています。

 この研究の著者である南カリフォルニア大学の Robert Kloner は、「負けたことに感情的なストレスを感じたり、大きな試合で激しい競争が起こったりすると、それが人々に循環器系の死亡を引き起こし得る」と述べています。

 以前にドイツで行われた他の研究者の調査では、サッカーの試合中、負けた方のチームのファンに循環器系に好ましくないトラブルが生じていました。そこで彼は、米国の主要なスポーツのイベントにおいても同様の結果が起こるのか、調査を行いました。

 彼が対象に選んだのは、アメフトチームのロサンゼルス・ラムズと、ロサンゼルス・レイダーズです。ラムズは1980年、レイダーズは1984年にスーパーボウルに出場しました。多くの方がご存じのように、スーパーボウルは全米ナンバーワンのアメフトチームを決定する、アメリカで最も盛り上がるイベントです。彼は、1980~83年と1984~87年について、イベント期間中のロサンゼルスでの死亡率を、死因別に調べました。

 結果は、チームの勝敗によって異なっていました。ラムズはピッツバーグ・スティーラーズに敗れたのですが、この年のデータを見ると、全体的な死亡率は他の年の平均と比べ約17%増加していました。特に、循環器系の死亡は約22%増加していました。また、レイダーズはワシントン・レッドスキンズに勝利しました。このときの死亡率は反対に6%減少していました。

 なぜ、チームが敗れたときの死亡率は高くなっていたのでしょうか? 可能性としては、チームが敗れたことでファンが消沈した気持ちになったことが考えられます。意気消沈した状態が、一般に循環器系のリスクであることは知られています。また、怒りの気持ちが影響している可能性もあります。

 この著者は、心臓病のリスクがあり、スポーツに熱狂しやすい人は、イベントの前に医者にかかっておくことを勧めています。

 なるほど・・・。まあどうやら今回の調査は、毎年の大会を網羅的に調べたものではなさそうで、あくまでも一例を調べてみたらそうだった、というもののようです。

 とはいえ以前の研究でも同様の現象は報告されていますね。記事でも触れられているドイツの研究(*1)では、勝ち負けそのものではなく、試合が接戦だったかどうかに応じて心臓病の急患の発生が多くなっていることが示されています。もしかすると、レイダーズの試合は、逆転シーンなどのエキサイティングな場面が少なかった試合だったのかもしれません。

 そういえば以前にこのブログで紹介した記事(野球と緊急治療室の妙な関係)では、野球の試合のある日は緊急治療室に運ばれる急患の数が減るという、今回とはやや逆の傾向が示されていますね。さまざまな要因が絡みあった複雑な現象のようです。

【参考リンク】
・元論文:なし(American College of Cardiology の年次大会で発表されたそうです。)
USC NewsUSC study links football losses to heightened risk of fatal heart attacks(大学のプレスリリース)
・(*1) Cardiovascular Events during World Cup Soccer

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