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発音しにくいネーミングはリスクを抱える


 EurekAlert! より。

■ 言いにくければそれはリスクを伴う
 If it's hard to say, it must be risky

 新製品のネーミングを考えている人には必読かもしれません。

 僕たちが何か新しいものを目にしたとき、それが危険かどうかをどうやって判断するでしょうか。多くの人は、その名前に聞きなじみがあれば、リスクは比較的小さいだろうと判断します。さらに、初めて耳にするような物であっても、覚えやすい名前や、発音しやすい名前に対しては、「前に見たことがあるかも」と判断することがあるかもしれません。

 さて、では実際に、名前の発音のしやすさは、人々の物のとらえ方をどのぐらい左右するのでしょうか? この問題を明らかにするべく、米国ミシガン大学の心理学者 Hyunjin Song と Norbert Schwarz は、学生を集めてこんな実験を行いました。

 第1のテストでは、彼らは被験者らに食品添加物の名称を記したリストを見せました。リストの添加物は架空のもので、いずれも12文字の長さでした。リストには、発音が易しい「Magnalroxate」や、難しい「Hnegripitrom」など、さまざまな名前が含まれていました。学生たちは、リストを見た後で、それぞれがどのぐらい有害と思うかを尋ねられました。

 結果は予想どおりでした。被験者らは、発音のむずかしい添加物ほど、それを有害と評価することが分かりました。それだけでなく、難しい添加物ほど、新しいとみなされることも分かりました。

 さらに、次のような第2の実験も行われました。今度は被験者たちは、架空の遊園地のアトラクション名のリストを示されました。そして添加物のときと同様、これらがどのぐらい危険である(気分が悪くなる)かの評価を行いました。

 結果、「Vaiveahtoishi」のような発音が難しいアトラクションは、被験者はこれを危険と評価する傾向がありました。反対に「Chunta」のような簡単な発音の乗り物は安全と評価されました。また、エキサイティングなアトラクションはどれかという設問に対しては、難しい名前のものが多く選ばれました。

 以上の結果から、難しい発音のものは、好ましくないリスク(有害だとか気分が悪くなるとか)と、好ましいリスク(エキサイティングとか)の両方を人々に印象づけることが分かったと言えます。研究者は、今回の結果を、リスク・コミュニケーションに応用することを考えています。潜在的に危険のある品物に難しい名前をつけることで、消費者に注意をうながすことがあり得るだろうと述べています。

 なるほど。。どう読んでいいのか分からないという不安がそれ自身への不安も引き起こしているのかな、と直感的には納得いく結果です。よく、新製品のネーミングを考えるときは、消費者の安心感をさそうよう分かりやすい言葉を使うべきだというのはよく聞く話ですが、それだけでなく、消費者に注意を喚起したいときなどにあえて難しい名前を使う、というアイデアはとても実用的でおもしろいです。


【参考リンク】
・元論文:If It's Difficult to Pronounce, It Must Be Risky

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