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宝くじに当たっても健康にはならない


 New Scientist より。

■ 宝くじの当選は健康や長期的な富を保証しない
 Lottery wins no guarantee of health or long-term wealth

 宝くじに当選した人は、さぞかし金銭的に豊かで、健康的な暮らしを送るようになるに違いない・・・今回発表された2つの新たな研究によると、こうした想像はどうやら幻想にすぎないことが明らかになりました。

 1つ目は、パリ・スクール・オブ・エコノミクスの Andrew Clark と Bénédicte Apouey による研究です。彼らは、英国で行われたパネル調査のデータを分析しました。この調査には、1994~2005年のあいだに宝くじに当選した約8000名のデータが含まれていました。

 分析の結果わかったのは面白い傾向でした。当選した金額が高額であればあるほど、精神的な満足は大きくなっていたのですが、一方で、全体的な健康は、当選しなかった人々と比べて特に向上が見られていなかったのです。

 いったいこの理由は何か? 研究者たちは、当選者の当選後の喫煙や飲酒量が多くなっていることから、これらの習慣が健康がよくなるのを阻んでいるのでは、と予想しています。

 と、このように、宝くじに当たっても健康になりはしないことが明らかになりました。では、金銭的にはどうなのか? 身体的な健康は良くなくても、金銭的には快適な暮らしになっているはずだよね? この疑問に答えるべく、ケンタッキー大学の Scott Hankins によって調査が行われました。

 この研究では、フロリダの宝くじの当選者を対象に、高額当選者(5万~15万ドル)とそうでない当選者(1万ドル未満)とで、破産する割合がどのように異なるかが調べられました。

 結果はこうでした。高額当選者の当選2年以内の破産の確率を見たところ、平均のおよそ50%程度しかありませんでした。しかし、その後の確率は急に上昇していました。当選5年以内でみた平均では、いずれのグループも同じ約5%という割合で破産していることが分かりました。

 研究者は、この結果の応用先として、たとえば、大きな負債を抱えた個人に対して、政府が手助けをするようなケースに役立つのではと述べています。一度にたくさんのお金を与えるのでなく、段階的に増やしていくようなやり方を、政策を立てる上で考慮すべきとしているようです。

【参考リンク】
・元論文1:Winning Big but Feeling No Better? The Effect of Lottery Prizes on Physical and Mental Health(リンク先不明:講演資料?)
・元論文2:The Road to Easy Street? The Financial Consequences of Winning the Lottery(リンク先不明:講演資料?)

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コメント (3)

kyunkyun:

はじめまして。
「ある事柄」 と宝くじについて、今、色々と調べています。
そんな中で、海外の宝くじに関する論文を、幾つか見つけました。
その内の一つをご紹介させて下さい。

◆ Large Lottery Winnings and Work

(docファイル)
http://www.abdn.ac.uk/wes2007/Full%20Papers/Stream%20E/123.%20Anna%20Hedenus%20FP.doc

(HTML)
http://74.125.153.132/search?q=cache:ybY9U19Fpe4J:www.abdn.ac.uk/wes2007/Full%2520Papers/Stream%2520E/123.%2520Anna%2520Hedenus%2520FP.doc+%22Large+Lottery+Winnings+and+Work%22&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp

* 英語がほとんど分からないので、どのような内容なのか教えていただけると、とてもありがたいです。

riverplus:

kyunkyunさん、こんにちは。ご紹介ありがとうございます。
ちょっと本腰いれて読む時間がありませんので、
アブストラクトの2段落目をざっと訳します。ご参考になれば。
人はなぜ働くのか?という問いを、宝くじ当選者の行動から探る試みのようです。

この論文は、2005年のスウェーデンの調査に基づいた、くじ当選者についての新たな実証的証拠を与えます。主な目的は、当選者が当選の後に仕事をどうしたか確かめることです。私たちは3つの可能な変化に注目します:(i)仕事をやめたかどうか;(ii)無給の終日休暇をとったか;(iii)勤務時間を短縮したかどうか。仕事について何も変えなかった当選者はほとんどいませんでした。約11%は仕事をやめ、約23%は無給の終日休暇をとり、16%は勤務時間を減らしました。しかし、賞金の大きさや、他人と賞金を分けずにすむことは、無給の終日休暇をとったり勤務時間を減らしたりする人々の決定に大きな影響をもたらします。仕事が社会的・心理的に重要な機能を満たすという事実は、なぜ多くの当選者が当選前と同じように仕事を続けるのかを説明する助けとなるかもしれません。

こんにちは、riverplusさん。
もしかしたらご存知かもしれませんが、「ある事柄」 というのは、『ベーシック・インカム』 のことです。
こちらのページは、比較的わかりやすく説明してある記事です。

http://www.bitway.ne.jp/bunshun/ronten/sample/keyword/090917.html
http://www.jicl.jp/urabe/index.html
http://bizplus.nikkei.co.jp/colm/bpnet.cfm?i=2009102306481dl

ベーシック・インカムについては、
「それが実施されると、人は働かなくなってしまうのでは?」
という疑問や心配も湧き上がって来ると思います。
そこで、高額宝くじ当選者の場合はどうだろう? と思い立ち、少しずつ調べています。

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