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偏光汚染がおよぼす生態系への悪影響


 New Scientist より。

■ 偏光の汚染によって混乱させられる野生生物
 Wildlife confused by polarised light pollution

 大気汚染、水質汚染、騒音、・・・生態系に悪影響を及ぼす要因には様々ありますが、このリストにあらたな要因が追加されることになるかもしれません。「偏光汚染」による生態系への影響の可能性があらたな研究によって指摘されました。

 偏光汚染とは何でしょうか。偏光とは、光が一定の方向にだけ振動した状態をさします。黒っぽくて滑らかな表面を光が反射すると、はねかえった光に偏光が生じます。

 ふつう、自然界では、偏光はおもに水の近くで生じます。このため一部の生物は、偏光を識別する能力を身につけて、水場を見分けるなどの助けとしています。

 しかしながら、人工的な物質がこの仕組みを乱します。車やアスファルトや窓ガラスなどの表面でも、同様に偏光が生じるのです。強い光沢のある表面は、ときに自然の水面よりも強い偏光を示し、「水よりも水らしく」生物に認識されます。したがって、たとえば車のフロントガラスを水と誤解してしまうようなケースが起こり得るのです。

 そこで今回、この偏光汚染の影響を把握するべく、ミシガン州立大学の Bruce Robertson らの調査によって、人工的な表面が生物の生活サイクルに影響を及ぼしたと考えられる事例が収集されました。

 結果、少なくとも300種の水生昆虫において、偏光による影響の可能性が見られたと彼らは述べています。たとえばオスのトンボでは、カーアンテナに止まったり、車の反射した塗装に引き寄せられたりする例が見られました。また、車のボンネットやセメント床、道路に産卵するメスの水生昆虫の例も見られました。

 この効果は、食物連鎖を通じて他の生物に影響することもあるだろうと研究者は述べています。たとえば以前の研究では、人工的な表面近くで昆虫をつかまえる鳥の事例が報告されています。

 こうした効果が生物のコミュニティ全体にどのような影響を及ぼすかについてはまだなお証拠が十分ではありません。今後は、たとえば魚や両生類にとって餌がどのぐらい減少するか、といった間接的な影響の有無についての調査がありえるだろうとことです。

 なるほど・・・。光沢のある表面が生物に悪影響を及ぼすなんて想像もしてなかったのでわりと驚き。よく田舎の道路にカエルが現れるのも、実は水中とカン違いしてるのかなあと想像したり。

 どうやら今回の調査は、可能性のあるケースを収集するというのが主目的のようで、偏光の影響を実証したわけじゃないのかなと思いました。偏光の強弱を調整した環境でのテストとか、すでに行われてたりするのかな。

【参考リンク】
・元論文:Polarized light pollution: a new kind of ecological photopollution

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