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株取引がダムの水位を予測する


 New Scientist より。

■ 株式市場ゲームが生態学的災害を予測するかもしれない
 Stock market game may predict eco disasters

 環境の政策を立てるうえで、水などの天然資源の貯蔵量がどのように推移するかを予測することは非常に重要です。今回、オーストラリアの研究者らによって、マーケットの仕組みを取り入れてダムの水位を予想するというアイデアが実現されました。

 このアイデアを提案したのは、オーストラリアの政府機関CSIROとドイツのカールスルーエ大学の研究者らからなるチームです。彼らは、オーストラリアのニューサウスウェールズにある5つのダム施設の貯水量の推移を予測するべく、「オーストラリア・ナレッジ・エクスチェンジ」というサイトを立ち上げました。このサイト、利用者たちが今後の水位を予想して仮想の株式を取引するという、オンライントレーディングのサイトなのです。

 いったいどのようなトレーディングを行うのでしょうか。利用者は、このサイトに登録すると、初期資産として10万ドルの仮想通貨と、各ダムにつき1千株ずつの仮想株式が与えられます。株式を所有していると、月に1回、そのときの実際のダムの貯水量をもとに配当が支払われます。貯水量が100%なら1株あたり100ドルいう具合です。さらに利用者たちは、オンラインで株式を自由に売買することが可能です。したがって、利用者は、うまく貯水量を予想することで、売却益や配当益で所持金を増やせるわけです。

 こうして得られた現在の株価は、さまざまな知識をもったマーケット参加者にとって、もっとも妥当と思われる水準、いわば一つのコンセンサスであるといえるわけです。研究者らは、もしこの手法でコンピュータモデルよりも優れた結果が得られるのであれば、株価が政府の環境政策に影響をもたらすことも考えられるだろう、と期待しています。

 うーん、なるほど。はたしてマーケットがどのくらい正確な予測を持ち合わせているかについてはかなり議論が揉めそうな気がしますが、それでもアイデア自体はとってもユニークでおもしろいですね。むしろ、不確実さが多く見解が分かれがちな貯水量の予想という分野で、一種のコンセンサスを形にできるということが最も評価されるべきポイントなのだと思います。

【参考リンク】
Australian Knowledge Exchange

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