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視覚的な記録力は想像以上にすごい


 ScienCentral より。

■ 悪魔は細部にやどる
 The Devil is in the Details

 僕たちの視覚的な記憶力は、想像よりもはるかに優れているのかもしれません。MITの研究者らによって、数千もの画像の特徴を短時間で記憶できることが示されました。

 人間の視覚的な記憶力を調べた研究は以前にもなされています。1970年代に行われたある実験では、被験者に1万種類もの画像を見せた後で2枚の絵を示し、どちらが以前に見たものかどうかを当ててもらいました。結果、83パーセントというすぐれた率で正答できていることが分かりました。

 しかしながらこの実験では、画像の詳細を覚えているかどうかまでは試されていませんでした。以前に見たか否かだけが問われていたのです。

 そこで心理学者 Aude Oliva らは、はたして被験者は見た絵の詳細まで覚えていることが可能なのか、調べることにしました。

 彼女らは18~35歳の被験者を集め、一般的な物体をえがいた画像を3秒おきに1枚のスピードで、計2500枚見てもらいました。栓抜きやドーナツ、携帯電話などの画像です。

 20分の休憩の後、被験者には2枚の絵が見せられました。ここでは以前の研究とは異なり、例えば携帯電話を見たかどうかだけでなく、それが開いていたか閉じていたかなど、詳細まで答えなければいけませんでした。

 結果はどうだったか。被験者の正答率は90%と、なお高い水準だったのです。被験者は、MITの学生や人より記憶が優れている人というわけではなく、ごく普通の人々でした。

 彼女は今度は、脳が、大量の視覚情報をどのように処理して記憶に留めているかを研究したいと考えているとのことです。

 で、車をどこに停めたかとか些細なことを忘れてしまう方に、彼女からアドバイス。「目にしたものに注意を払うことです。どこに鍵を置いたのか、どこに車を停めたのか。」ほんの一瞬、見るものに集中することで、忘れてしまうことを防ぐことができると述べています。

 なるほど。。実験は5時間半かかったそうで、とりあえずは被験者の皆さんお疲れさまでしたと言いたいです。それはさておき、リンク先のムービーで実際の画像が見られるんですが、思っていたほど些細な違いではないなあというのが正直な印象です。たとえば風景をみて木の本数を問うようなレベルの問題を想像してたのですが、それよりはもうちょっと全体的で、以前の研究に近い感じです。被験者は画像のどのレベルの詳細まで覚えているのかな。今後の研究でそのあたりが明らかになると面白いなと期待します。


【参考リンク】
・元論文:Visual long-term memory has a massive storage capacity for object details

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