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女性の手の細菌はバラエティ豊か


 ScienCentral より。

■ 手の細菌
 Hand Bacteria

 DNAの配列を調べるという新たな解析手法によって、人間の手のひらにどういった種類の細菌が存在するかを調べるという調査が行われました。結果、性別や手の左右によって様々な興味ぶかい傾向が得られることが明らかになりました。

 この調査を行ったのは、米国コロラド大学の Noah Fierer です。彼はもともとは、土壌や植物といった場所にある細菌や菌類を研究テーマにしている人物です。今回人間の手のひらを調査しようと思ったのは、純粋な好奇心からとのこと。彼は51名の大学生を集め、彼らの両方の手のひらにどういった種類の細菌があるかを調査しました。

 当然のことながら、人間の体表には数多くの細菌が存在しています。従来の手法では、いったいどういった種類の細菌が存在するかを確かめることは著しく困難でした。そこで彼は、DNAシーケンシングという新たな手法を用いてこの数字を出すことに成功しました。

 その結果はおもしろいものでした。

 細菌の種類はかなり多く、平均して1人につき150種類以上もの細菌が手のひらに生息していました。また、異なる2人を比べてみたところ、平均してわずか13%しか共通しておらず、全被験者の総数は4742種類と、たいへんバラエティに富んでいることが分かりました。

 また、細菌の構成が男女間で異なっていることも明らかになりました。細菌の個数でみると男女間でそれほどの違いはなかったのですが、細菌の種類でみると、女性の方が男性よりもバラエティが豊かだったのです。この原因として著者は、皮膚の酸性度のちがいによるのではと述べています。

 面白い傾向はこれだけではありません。1人の被験者でみても、右手と左手とで細菌の構成は大きく異なっていたのです。左右の手の細菌は、平均してほんの17%しか共通していませんでした。

 また、物に触れるなどした程度では、細菌の種類に変化は生じないことも分かりました。このことは、人によって個別の細菌パターンが存在する可能性を示唆していますが、季節のような長期間の経過によっても変化しないのかどうかについてはさらなる調査が必要とのことです。

 なるほど、同じ1人の人間でも左右の手で細菌の種類はまったく異なるというのはかなり意外でおもしろいです。可能性としては仮説のレベルではあるけれど、もし細菌のパターンが個人によって特別で季節を通じて変わらないというのであれば、指紋や声紋と同じように個人を特定する情報になり得るのかなあ、と想像してみると楽しいです。純粋な好奇心から始めた研究であると記事にはありますが、ぜひ世のためになる成果が出てきてくれればいいなあと思います。

【参考リンク】
・元論文:The influence of sex, handedness, and washing on the diversity of hand surface bacteria

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