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鶏輸送車の後ろにご注意を?


 ポッドキャスト番組 60 Second Science より。

■ 鶏が道を渡った後は車を洗おう
 Wash Car after Chickens Cross Road

 農場から食肉処理場まで鶏を運送するトラックの後ろを自動車で追跡するという調査がおこなわれました。追跡後の車内を調べたところ、通常と比べてめだって細菌数が増加していることが明らかになりました。

 動物から発生した病原体は、さまざまなルートを介して周囲に広がっていきます。たとえば、農場の従業員はつねに感染の可能性に晒されていると言えます。この他にも、換気設備からの拡散や、排泄物の土壌からの拡散など、いくつかの経路が指摘されています。

 そこで、ジョンズホプキンズ大学の研究者 Ana Rule らは、これら以外にも病原体が拡散する可能性があるのではないか、と考えました。その上で、輸送のプロセスに注目し、ここにももしかすると拡散の可能性があるのではと考え、実際の輸送車を追跡するという調査を計画しました。

 彼らは、米国のデルマーバ半島にあるとある農場から、17マイル(約27km)離れた場所にある処理場まで鶏を輸送するトラックに対し、その後ろを乗用車で追跡しました。

 トラックでは鶏はすかし箱と呼ばれる檻のようなケースに入っていました。また、乗用車ではエアコンや換気扇はオフ、窓は全開にされていました。いずれも一般的に十分ありえるシチュエーションです。

 その後、乗用車の表面と車内の空気が検査されました。その結果、トラックを追跡した後の車内において、好気性菌の総数に増加が見られることが分かりました。これらの菌の中には、感染性や耐薬剤性のある腸球菌が含まれていました。

 今回の調査は、これまで見落とされていたトラック輸送という手段が、病原体のひとつの拡散ルートとなることを示していると言えます。今回のデルマーバ半島のように、農場の密度が高く、かつ交通量の多い地域において特に、食用動物の輸送にさらなる改良が必要である、と著者らは記しています。

 なるほど。具体的な数字が記事からは不明でしたが、とはいえ、深刻な病気の大規模感染を防ぐには、ありとあらゆる感染経路を対策しないとダメなわけです。今回の結果は、輸送トラックという一見大した影響がなさそうな経路でも、拡散の可能性が十分にあることを示したという位置づけになるんでしょうかね。

【参考リンク】
・元論文:Food animal transport: A potential source of community exposures to health hazards from industrial farming (CAFOs)

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