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トカゲの腕立て伏せの謎をロボットが解き明かす


 New Scientist より。

■ 逞しいロボットはトカゲの奇妙な行動を説明する助けとなる
 Macho robot helps explain lizards' odd behaviour

 トカゲ型ロボットを使って実際のトカゲの生態を調べるという一風変わった調査が行われました。調査の結果、これまで知られていなかったトカゲの腕立て伏せの動きの理由が新たに解明されることとなりました。それによると、トカゲはこの動きによって、周囲のライバルたちの注意を引こうとしているのだそうです。

 調査の対象となったのは、アノールトカゲと呼ばれる種類のトカゲです。北米南部から熱帯アメリカにかけて分布する動物です。

 このトカゲ、威嚇の際にたいへん変わった行動を見せることが知られています。このトカゲのオスは他のオスに出会うと、頭を上下させ、さらにのど袋を膨らませるという威嚇のポーズを見せます。ですが、しばしばその前に、四つん這いで腕立て伏せをするような動きを見せることがあるのです。一体なぜこのような行動をするのか、研究者たちの間では謎のままでした。

 そこでこの謎を解明すべく、米国ハーバード大学の研究者 Terry Ord らは、なんともユニークな方法で調査を行いました。

 彼らは、トカゲの動きの物まねをするロボットを開発しました。このロボットを実際のトカゲと対面させて、どのようなリアクションをとるかを調べることにしたのです。様々なパターンを調べるために、ロボットには頭やのど袋で威嚇する動きや、例の腕立て伏せの動き、あるいは他の種のトカゲが見せる動きなど、様々な動きに対応していました。

 このロボットを、プエルトリコの北東部の森林の奥に設置し、近くのトカゲの反応をビデオ撮影しました。結果、こんなことが分かりました。

 ロボットが腕立て伏せを始めたところ、数秒のうちに周囲のトカゲの注意がロボットに引き寄せられました。しかし一方で、腕立て伏せなしで威嚇行動をしても、他のトカゲはその動きに気付くことはありませんでした。

 つまり、腕立て伏せの動きは、僕たち人間が手をふって相手の注意を引くのと同様、トカゲにとっては周りのオスの注意を集める手段として機能していると考えられるのです。

 また、のど袋を素早く膨らませたり縮ませたりするという動きによっても同様の効果が得られることが分かりました。この動きは実際のトカゲはあまりやらない行動ですが、いずれも素早い動きという点で共通しています。研究者らはここから、素早さが注意を集めるポイントとなっているのではと述べています。

 なるほど。動物の行動を調べるためにロボットを作ってしまおうなんてアイデアは初めて聞きました。びっくり。そしてさらに驚いたのは、実際にトカゲの行動を解き明かすきっかけを与えてくれたという点。今後トカゲ以外の動物にももしかすると今回の手法が使えるのかなと興味がもたれます。

 トカゲロボットの実物のムービーは元記事をご参照ください。

【参考リンク】
・元論文:Alert signals enhance animal communication in “noisy” environments
ナショナルジオグラフィック ニュース::腕立て伏せで仲間の注意を引くトカゲ

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