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最強のめざまし音を探す試み


 ABC Science より。

■ 矩形のアラーム音がより多くの命を救うかもしれない
 Square alarm tones could save more lives

 目覚まし時計をセットしたのにアラームに気付かずに眠りっぱなし・・・そんな経験がある人には必読のニュースです。

 煙検知器のアラーム音を調べた新たな研究によると、就寝中の火災による死亡を防ぐためには、従来つかわれていた高音の正弦波のアラームよりも、低音の矩形波のアラームを鳴らした方が効果的であることが確かめられました。

 煙検知器のアラーム音にはある程度の標準が定められています。音量は75デシベルで、リズムは ピピピ、ピピピ、という3つの音の繰り返しとするよう決められています。一方、音の高さについては特に標準はなく、メーカー自身の判断に任せられています。たいていのメーカーは、3000ヘルツ程度の正弦波を使っています。当然のことながらアラームには非常事態を確実に伝えることが重要ですので、3000ヘルツという高音の音を用いるのはわりと妥当な選択なのだそうです。

 しかしながら、統計をみてみると、就寝中の火災が原因で命を落としている人が多くいました。この中には、アラームが正常に機能しているにも関わらず、それに気付かずに眠り続けていた人が多くいました。

 そこで、オーストラリアのヴィクトリア大学の Michelle Ball 博士は、高音のアラームは、起きている人に危険を伝えるのには効果的でも、眠っている人にはそうではないのではないかと考えました。

 そこで彼女は、どの種類の音がもっとも効果的に人を起こせるのかを調べるという実験をおこないました。

 彼女は、子どもから大人まで、さまざまな被験者を集めました。そのなかにはアルコールを飲んだ人や、中軽度の難聴者を含んでいました。彼女は、被験者を寝かせたうえで様々なアラームを鳴らし、どのぐらいの割合で目を覚ますかどうか調査をしました。

 結果は予想とは違っていました。被験者を起こすには400から520ヘルツの矩形波の音がもっとも適していることが分かったのです。

 アルコールをとっていない成人の場合、従来の高音のアラームでは21%の被験者が眠り続けていたのに対して、520ヘルツの音では全員が目を覚ましました。また、難聴の成人の場合、従来では56%が眠ったままだったのが、低音ではわずか8%へと改善されました。

 正弦波とちがって、矩形波は複数の周波数の音がまざった複雑な音です。音量は同じでも、矩形波のほうが人間の耳にはうるさく聞こえるのだろうと研究者は述べています。また、難聴者は高音の聞こえからが悪くなることが多いため、低音のほうが効果があったのだろうとも述べています。

 うーん、周波数と波形のどちらか一方だけを変えたときの効果が元記事からはあまりよく分かりませんでしたが、とはいえ、アラーム音にここまで大きな改善の余地があるというのは面白いです。

 そういえば、僕たちの周りの目覚まし時計って、たいていが高音のピピピという音ですよね(あとはベルの音)。これってやっぱり時計メーカーの研究による選択なのか、それともここにも改善の可能性があるのか? 今回の結果が応用できるとおもしろいです。

【参考リンク】
・元論文:不明
(Journal of Sleep Research という雑誌に掲載予定です。)

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