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男らしい歩き方は自分に迫りくるように見える


 ABC Science より。

■ 男らしい歩行は自分に向かっているように見える
 Macho walks appear to be comin' atcha

 歩いている人物のアニメーションを被験者に見せ、この人物の性別と歩いている方向を判断してもらうという実験が行われました。すると結果、男性であると判断した人の多くが、この人物は自分に向かっていると答え、また逆に、女性と判断した人の多くは、遠ざかっていると答える傾向があることが分かりました。

 まずはこのページに行ってみて下さい。これは「point-light walker」などの名称で呼ばれるアニメーションです。いくつかの点がウニョウニョ動いているだけのものですが、一目見てすぐに歩いている人物の像が頭に描けると思います。左のバーを動かすと男女らしさを変えたりできて、楽しいです。

 中でも面白いのが回転ボタン。これをしばらく押して180°後ろ向きにさせてみると、とつぜん進行方向が変わって見えるんですね。「あれ、いきなり前向きになった!」と不思議な感覚を味わうことができます。

 さて、オーストラリアのサザンクロス大学の心理学准教授 Rick van der Zwan らは、このアニメーションをつかって、とある実験をおこないました。

 彼らは男5名女5名からなる被験者に対し、男らしさ女らしさをさまざまに調整したアニメーションを見せました。そしてこの人物の性別を判断してもらい、また、手前と奥のどちらの方向に向かって歩いているかを併せて答えてもらいました。

 結果の傾向は明らかでした。「男性である」と答えた人が多いときほど、手前方向に向かっていると回答した人の割合は大きくなっていました。また逆の場合も同様で、女性と答えた人が多いほど、奥方向と回答した人の割合が大きくなっていたのです。

 なぜこのような現象が起きたのか? 研究者たちは、生存戦略としてこうした判断が発達したのでは、という仮説を立てています。つまり、一般的に男性は女性と比べて攻撃的である可能性が高いと言えます。ですので、男性が歩いているの見つけたなら、こちらに迫りつつあると推測する方が、身を護るうえで有利だというわけです。

 今回の研究は、動きからその人について、性別や感情や性格などさまざまな情報を得る助けとなると言えます。この知見を応用して、たとえばセキュリティシステムの構築の際に、不審な行動を発見するなどの用途につかうことがやがて可能になるかもしれないとのことです。

 なるほど。結果のグラフのほうも眺めてみましたが、かなり明らかな傾向が見えていて驚きです。でも、歩き方の男女らしさが方向の直接の原因かどうかというのは、この記事を読むだけではハッキリしないなとも感じました。実は男女らしさは関係なく、物体の横はばとか、もっとシンプルな特徴が原因となってるのかもしれない。今後、人物以外のアニメーションならどうかといった情報が明らかになると、要因が絞られていっておもしろそうと思いました。

【参考リンク】
・元論文:Correlated changes in perceptions of the gender and orientation of ambiguous biological motion figures

(なお上記のアニメーションは適当に検索で辿り着いたページです。当研究の著者との関係は不明です。念のため。)

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コメント (2)

ケンボー:

面白いですね。

私の場合、男性にせよ女性にせよこっちに向かってきているように見えました。

これは女性恐怖症の現れ?

riverplus:

コメントありがとうです。
記事で紹介したアニメーションは実際の実験で使われたものとはおそらく違うと思いますね。
僕もこちらに向かってるように見えました。
実際のはもっと紛らわしい感じになってるんでしょうねえ。

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