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ビール・ゴーグル効果の存在が確かめられた


 New Scientist より。

■ ビール・ゴーグルは実在する――これではっきりした
 'Beer goggles' are real - it's official

 ビール・ゴーグル効果、というものをご存知でしょうか? アルコールを体内に摂取することによって、美人ではない女性が美人として観察されるようになるという現象のことです。バーで知り合った異性と一夜を明かした翌日、よく見たらちっとも好みでない相手だった・・・なんて経験がある人には(直感的には)同意できる現象でしょう。

 さて、この現象、飲み会のネタにするには打ってつけの話題なのですが、本当にこの効果が実在するかどうかは、科学的な観点からの証拠が十分ではありませんました。

 科学的な裏づけを探す研究は以前にもいくつか行われていました。たとえばある研究では、大学構内のバーの客に、アルコールを飲んでいるかどうか質問し、さらに顔写真をみせ魅力を評価してもらうという調査が行われ、結果、ビール・ゴーグル効果の存在を支持する傾向が得られていました。

 ですが、この結果ではビール・ゴーグル効果を立証できたとはいえません。別の研究では、定期的に飲酒をする人は、そうでない人と比べて、人の顔を魅力的と判断する傾向が高いことが知られています。したがって、バーで飲んでいる人をつかまえて魅力を評価してもらうというのは調査法として厳密とはいえないのです。

 そこで、より厳密さの高い評価を行うべく、飲酒のある/なしをコントロールした環境で比較実験が行われました。

 実験を行ったのは、英国ブリストル大学の Marcus Munafò 率いる研究チームです。彼らは84名の学生に対し、ライム味のノンアルコール飲料と、似た風味のアルコール飲料のいずれかをランダムに飲んでもらいました。その15分後、被験者と同年代の人物の顔写真を見せ、その魅力を評価してもらいました。

 結果は想像どおりでした。男女を問わず、アルコールを飲んだ被験者のほうが、ノンアルコールを飲んだ被験者よりも、顔写真をより魅力的と評価することが明らかになりました。

 プラス、特徴的だったのは、相手が同性でも異性でも同様の特徴が見られた点でした。以前に別の研究者によって行われた研究では、こうした魅力のアップは異性間でしか発生しないことが報告されていました。Munafò は、この現象への説明として、この効果は、異性との出会いをもたらす環境(ムードのある環境ってことでしょうか?)において、潜在的な性的パートナーに対し重点的に働いているのではないか、と述べています。

 なるほど。以前にスラッシュドットのニュースで、ビール・ゴーグル効果の大きさを定式化した(下記リンク参考)という話があったのを思い出しましたが、そもそも効果の有無がそれほどきっちりと確かめられていたわけではなかったのですね。

 元論文のアブストラクトを見てみると、他にも不思議な結果が出ているようです。飲酒をした1日後にもういちど同じ顔で魅力の評価をしてもらったところ、男性→女性の評価に限って、なおもアルコールを飲んだ被験者のほうが高い評価をする傾向があったとのこと。これも面白い現象ですね。

【参考リンク】
・元論文:Effects of acute alcohol consumption on ratings of attractiveness of facial stimuli: evidence of long-term encoding
・Wikipedia::ビール・ゴーグル効果
・スラッシュドット・ジャパン::どれだけ飲めば美人に見えてくるのか

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