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コンセントから住人の位置を追跡する


 New Scientist より。

■ 「かしこい家」は電気ノイズを追跡するかもしれない
 'Smart homes' could track your electrical noise

 家庭内ユビキタス、と呼ばれる研究分野があります。家庭にあるさまざまな機器をネットワークで接続して、連携して住人の生活のサポートをしようというのが目的です。

 たとえば、人の動きにあわせて自動で玄関を施錠してくれるとか、部屋から人がいなくなると空調を止めてくれるとか、電話が鳴るとテレビの音量を下げてくれるとか・・・。いろいろと快適な応用が期待されています。

 さて、これを利用する上での一番の困りごとといえば、システムが何かと大がかりになってしまうという点です。たとえば、住人がどこにいるかを追跡するために、カメラやマイクといったセンサーを家じゅうあちこちに配置しないといけません。これはコスト的にも手間的にも非常にたいへんです。

 さて、今回、ジョージア工科大学のコンピュータ科学者 Gregory D Abowd によって提案された方法によると、カメラよりもずっと安価な方法で、代替となるデータが得られることが分かりました。

 彼の方法では、とある装置を壁のコンセント穴に差し込みます。この装置は、コンセントに供給される電力の変動を監視するためのものです。家電の電源をオンやオフにした瞬間に生じるわずかなノイズをキャッチして、その情報を制御用パソコンに送信するのです。さらに制御用パソコンは、このノイズのパターンを分析して、それがどの家電から生じたものなのかを突き止めることができます。ここから、住人がいまどの部屋にいるのかをざっくりと見積もることができるというわけです。

 実際に実験も行われました。6つの家庭で19種類の家電をオンオフさせたテストによると、85~90%の割合で、ただしく機器のオンオフを識別することができたそうです。

 いうまでもなく、この方法はカメラやマイクの精度には到底かないません。ですが、既存のインフラを利用するだけで効果が得られるという点は非常に魅力的です。制御用パソコンにノイズパターンを学習させるという手間がかかりますが、カメラを設置したりするよりはずっと楽にできるだろう、と著者は述べています。

 なるほど、家庭内ユビキタスをちょっとお試しで導入してみたい、という要求に対してこの方法はよいかもしれませんね。あるいは、わざわざカメラを設置するほどでもない部屋に導入するとかでしょうか。何かしらの形で実用はできそうです。ちなみに今回の実験は、他の家電をみなオフにした状態で行ったとのことですので、複数の家電がまざった状態での識別にはもうちょっと精度の高い解析が必要のようです。


【参考リンク】
・(元論文)Ubicomp 2007 という学会で発表されるそうです。

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コメント (1)

追記。
どうやらこの発表が、Ubicomp 2007 にて最優秀論文賞と最優秀発表賞を受賞し、2階級制覇をなしたみたいです。
すごいや。

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