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ライオンのたてがみは雄のシンボルとは限らない

ツァボのライオン
 Reuters より。

 ライオンのオスのシンボルといえばたてがみです。ライオンのたてがみに関してはこれまでいくつかの研究があり、主要な研究の結果によると、色の濃さが強いオスの証なのだそうです。オスはたてがみで強いオスを見分けて無益な争いを避け、メスもたてがみの色で強い子孫を残すための相手を選んでいるのだそう。たてがみの色が強さを示す目印の役割を果たしていたのです。

 ですが、アフリカのツァボ(ケニア)にある国立公園にいるライオンのオスは、たてがみがなかったり、あるいは薄いたてがみしか持たないにも関わらず、メスのパートナーには恵まれていることが分かりました。右の写真は元論文(下記リンク参照)より引用しました。

 著者たちは、これは暑すぎるツァボの気候のためであり、気候への適応がたてがみの発達を抑えているのだと述べています。

Mane-less lions keeping cool: researchers
(たてがみのないライオンは冷涼を保っている、と研究者たち)
http://today.reuters.com/news/articlenews.aspx?storyID=2006-09-15T235205Z_01_N152213_RTRUKOC_0_US-ENVIRONMENT-LIONS.xml

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 たてがみを持たなかったり、薄毛を首回りに伸ばしたオスのライオンがいるのはなぜだろうか。研究者たちが金曜日に報告したところによると、この問いへの簡潔な答えは、動物たちが涼しくしようとしているためであるという。

 「百獣の王」を連想させるふさふさしたたてがみの進化上の目的については研究が積み重なってきた。研究者の中には、競争相手の牙から首を守りつつ、メスを魅惑しようとしているのだと推測する者もいる。

 しかしシカゴのフィールド自然史博物館の研究者たちが述べたところによると、ケニアのツァボの野生保護地に住む、たてがみのない、あるいは薄いライオンが、多くのメスとの交際に恵まれているという。

 高温高湿のツァボ保護地のライオンと、これより寒冷で高標高のセレンゲティ平原に住むライオンとを比べると、ツァボのライオンは、一方と比べてたてがみが小さかったことを、この研究者たちは Journal of Zoology 誌に報告した。

 かの有名なライオンの攻撃性の原因となり、また髪の成長を妨げる(頭のはげた人間の男性のホルモンと同様)テストステロンを、ツァボのライオンはより多く体内に持っていると示唆していた研究者たちもいる。

 また、このライオンは、洞窟の壁画に示されている、現在では絶滅したヨーロッパのたてがみのないライオンの特性を受け継いでいるのかもしれない、と提案した者もいる。

 いまなお他の理論では、人を寄せ付けないツァボ保護地に住むたてがみのないライオンは、栄養不良や水不足に苦しんでいたり、あるいは、この地域のとげのある小低木を通過し、ギザギザを引っかいているうちにたてがみを切り離したのだと提案していた。

 しかしフィールド博物館の Thomas Gnoske と Kerbis Peterhans はこれらの理論を無視した。

 ツァボでの観察によると、オスたちは実際にはたてがみを伸ばすのだが、発達するのは後になってからであり、ずっとゆっくり成長し、セレンゲティのライオンほどふさふさにはならない傾向にあると彼らは述べた。

 ツァボのライオンの小さなたてがみは、交配する能力が減少することとは関係がなく、小さなたてがみのライオンは、誇りにおいて卓越したオスとなっていたのだと彼らは付け加える。

 「あらゆるライオンは、地域的な気候の形態にしたがってたてがみを発達させるのだろう」と著者たちは記した。

 「ある時点で、冷却することが他の進化上有利な点より優先するのです」と Peterhans はインタビューで述べた。「髪は生得的に、断熱材として機能します。そしてそれゆえ、きわめて高温で高湿な環境において、オスの温度的バランスを保つ能力を妥協させるのです。」

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【参考リンク】
元論文Dissociation between mane development and sexual maturity in lions (Panthera leo): solution to the Tsavo riddle?
 http://dx.doi.org/10.1111/j.1469-7998.2006.00200.x

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コメント (1)

shozando:

■前後しますが
先ほどはコメントありがとうございます。

それにしてもたっぷりな内容のブログですね。
すごいです。


http://ameblo.jp/shozando

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