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学びのための書籍2冊

 最近読んだ書籍2冊のご紹介。
 なんとなく似たような雰囲気のタイトルですねえ。

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99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方」(著:竹内薫、出版:光文社新書)

 科学的思考の重要さを説く入門的な本。語り口調の文体と巨大なサイズの文字でお気軽に読むことができます(文字を小さくしてそのぶん安くしてよ、と感じますが;)。本書でくりかえし主張される要点はいたってシンプルです。簡単にいうと、僕たちの常識や世界観とは仮説の積み重ねにすぎず、180度ひっくり返される可能性をつねにもっている。そして、僕たちはこの存在を自覚して、必要なときには前提の仮説をはずしてものを考えないといけない、ということ。人によっては、こういう話を聞くと「そんなの当たり前やん」と感じることもあると思うけど、自分の頭の中の仮説をはずす、という行為がいかに難しいことであるかは、本書で挙げられる科学の世界の歴史をみればすぐに理解できるでしょう。

 本書では、いろんな読者がスムーズに理解できるよう配慮してか、科学の舞台での実際のケースをとにかくたくさん挙げています。これらの豊富な話題だけを切り出してみてもかなり面白いです。冒頭にある飛行機の話(飛行機が飛ぶ原理はじつはまだちゃんと理解されていない)や冥王星の話(冥王星はじつは惑星とはいえない)など、自分のネタ帳にストックしておきたくなるトピックが多くあっておもしろいです。

畑村式「わかる」技術畑村式「わかる」技術」(著:畑村洋太郎、出版:講談社現代新書)

 「失敗学」や「直観で分かる数学」なんかでよく知られている著者が書いた、「わかる」ということのしくみや活用方法を解説した本。とても平易な文体なのですぐに一読できるはずです。本書でもっとも肝となる概念が「テンプレート」、すなわち知識や過去の経験をとりこんで作った、要素と構造についてのモデルです。ふだん僕たちは、目の前の事象と頭の中のテンプレートとのあいだで一致を無意識に見出そうとしていて、一致してることが見つかったときの感覚が「わかる」なんじゃないか、と本書では述べられています。

 僕たちはみな頭の中に膨大な数のテンプレートを持っているのだけれど、ここでいちばん大事なのは、これらの中に共通して含まれる普遍的なことがらを「上位概念」として抽出するという行為にあるということ。こうした概念を持っているからこそ、初めて目にするよく分からない対象も、思考をショートカットさせて「直観的理解」をすることが可能になります。一方で、こうした理解を試みずに歳をかさねた人は、たんに経験の回数が多いだけで、「知っている」「やったことがある」レベルのノウハウしか頭にない、いわば「偽ベテラン」の状態といえるのです。

 本書は、ふだんから「わかるってどういうことだろう」を何となくでも考えていた人にとっては、漠然としていたイメージを明快な文章で指摘してもらえた気分になるでしょうし、一方でまったく意識していなかった人にとっては、新鮮な視点を得ることになると思います。

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コメント (2)

なかつみ:

■おぉー
これ2冊とも面白そうだねー。

riverplus:

■いいですよー
このごろ新書が世間ではやってるそうですが、中でもこれらはよいと思いますよー。ぜひおためしを。


http://ameblo.jp/riverplus/

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