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鳥インフルエンザ、何が怖い?

 最近読んだ書籍紹介。

 

 「微生物 vs. 人類 感染症とどう戦うか

 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4061497715/ref=pd_sim_dp_3/249-0221731-4870760

 

 鳥インフルエンザ、BSE、炭疽菌をはじめとした感染症のキーワードをここのところあちこちで目にするものの、どうもこれらの区別がちゃんとついていないなあ、と危機感を覚えたことから読んでみた本です。

 

 本書は、様々な微生物が、人類にどんな災いをもたらしてきたか、そしてどんな対策がなされてきたかについて述べた本です。タイトルにある「微生物」という言葉ですが、ふつう「微生物」といえば、単に「小さな生物」の意味をさす言葉で、そこにはとても広い範囲の生物が含まれます。本書で扱われる微生物も、鳥インフルエンザ、SARS、炭疽菌、BSE、O157、エイズといったこの頃の話題のものから、ポリオ、マラリア、ペスト、結核、コレラ、ハンセン病のような病気などにいたるまで、非常に多岐にわたっています。一つ一つの病気の名前は聞いたことはあるもののそれ以上の知識はほとんどないという方には、手早く、数多くの感染症について整理することができると思います。

 

 そういえば僕は、鳥インフルエンザって巷ではよく話題には出るものの、鳥インフルエンザのいったい何が厄介なのか? という部分を、これまでちっとも知りませんでした。「鳥」インフルエンザというぐらいなんだから、これって鳥にしか感染しない病気じゃないのか? 僕たち人間には、鳥インフルエンザは感染しない病気じゃないのか? というふうなことを勝手に思ってました。


 


 実際のところは、鳥インフルエンザのウィルスと、これとは別のヒトのインフルエンザウィルスとが同じ細胞に同時に感染することで、交雑が起き、ヒトに対して病原性を持つ新型の子孫ウィルスが誕生する恐れがあるのです。実際に、ブタには、ヒトのインフルエンザウィルスと、鳥のインフルエンザウィルスの両方ともが感染可能のため、そこで生まれた新型ウィルスがヒトにうつってしまうことで、ヒトの間で爆発的に流行する可能性があるのだそうです。専門家の間では、こうした新型ウィルスは「出現することはほぼまちがいない」とされているようです。

 

 ・・・などなど、本書では、鳥インフルエンザに限らず、このごろ話題となることが多いキーワードや、昔からよく名前は聞くもののよく知らなかったキーワードを、一通り眺めてみるのにお手ごろな本だと思います。

 

 難点は、ビギナーへの解説がどうも不十分かなあという点でしょうか。。第1章の1ページ目で、ミトコンドリアという単語がコメントなく登場し、「ミトコンドリアって何だっけ?」と早くも置いてけぼりを食らってしまいました(僕は生物の知識は高校以来皆無です)。あと、扱う病気の種類があまりに多く、一つ一つの感染症に対する知識は非常にあっさりしているので、踏み込んだ理解が欲しければ、もうあと何冊か読み加える必要がありそうです。

 

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