雑メモを2つ。
2つの話題の間に、関連性はまったくありません。
◆
現在、会社で特許を一件、執筆しています。
いや、執筆というのは嘘で、まだ内容の検討の段階なのですが。
というわけで、現在、それに関連して、通勤時間の電車の中で
「キャノン特許部隊」(著:丸島儀一、出版:光文社新書)
という本を読んでいます。
昔に買った本で、今回改めて読み直しているのですが、内容のあまりの鋭さに、再び深いため息が何度も出てくることになりました。
「特許の話なんて新人研修のときに一度さらっと聞いただけだよ」だとか、「上司の指示で、特許を書くことになったよ」というような、今の僕と近いような立場の人(笑)や、あるいはそうでない人も、ぜひ一読しておくべき本だと思います。
そもそもの認識が非常に甘い僕の場合だと、特許を書くことの意義について、
特許を書いて、知的財産部の人に渡す。
→ 出願が完了すると、数千円のボーナス。
→ さらにもし権利化してもらえた場合、またいくらかのボーナス。
→ さらにもし他社がその特許を使わせて下さい、と言って来た場合、またまたいくらかのボーナス。
と、自分にとってその程度の認識しかなかったわけですね。
あるいは企業の立場で考えてみたとしても、せいぜい、
この特許は自社のものですよ、と公開しておけば、どこからも真似されずに有利なアイデアを独占できる
とか、
良い特許を他社に売り出して、多くのライセンス料を徴収できる
ぐらいの意味合いしか感じていなかったのです。
しかし、現実の状況はそんなに単純ではない。
たとえば電子機器の場合でも、一つの製品の中に、さまざまな企業のさまざまな特許技術が複雑に入り込んでいます。
したがってそこには、他社とのライセンスがお互いに絡まりあった状態が発生します。
ですから、企業にとって、特許を活用して戦略的にビジネスを進めることが非常に重要になります。
たとえば、
研究開発の段階から、他社の特許をすべて調べあげて、自分の事業に必要な特許があれば、先だって相手とライセンス契約を結んでもらって、将来的に攻められないように予防を図る。
しかも、ただライセンスを下さいと言うのではなくて、自社の特許を使ってないかどうか相手の製品を調べて、使っていたらこちらが先に攻めに行く。先に攻めて、じゃあ無償のクロスライセンス契約(両社の特許を互いに利用できる契約)を結びましょう、という方向に話を進めて相手の特許をもらってくる。
と、想像のつかない戦略が行き交っているわけです。
・・・と、すべての内容をここで紹介することは決してできませんが、他にも、ゼロックス社との戦いの様子を描いた場面や、特許に限らず交渉についてのノウハウを記した箇所など、現在の自分にも有効に活用できるかも、という示唆に富んだ内容で、イチ押しの一冊です。
◆
レンタルビデオの人気作の法則
こちらは雑学ネタとして。
レンタルビデオ店の人気の度合いにまつわる、こんな法則。
けっこう有名な話かも。すみません。
ふつう、レンタルビデオ店で貸し出しされている映画は、作品によって、人気の度合いはまちまちです。
いわゆる人気作品と、そうでない作品があります。
さて、レンタルビデオ店の貸し出し状況を調べてみると、映画の人気の度合いについて、次のような傾向が言えるそうです。(Chervenak, 1995)
レンタルビデオ店で貸し出しされている映画のうち、貸し出し要求のほとんどは、きわめて少数の映画が占めている。
そして、そのほかの映画は、残りのわずかな貸し出し要求を分け合っていることとなり、そのような映画一本あたりの要求の数は、きわめて少ない。
さらに、調査によると、N番目に人気のある映画に対する貸し出し要求の割合は、1番人気の映画を1とすると、1/Nで近似できるのだそうです。
つまりどういうことかというと、たとえば上から5番目に人気のある映画は、もっとも人気のある映画と比べて、5分の1の数のお客さんが借りようと思うということです。
これは、べき乗則として知られている法則のうちの、特殊なケースに相当するものです。(Zipf の法則とも呼ばれているそうです。)
今回、レンタルビデオ店の人気度についての話は初めて聞きましたが、レンタルビデオに限らず、このような法則は、世の中の非常に多くのところで見受けられているようです。
しかし、ここでべき乗則の話を始めてしまうと、以降たいへんな規模で話題が発散してしまうことになるので、この話はここで完結です;


コメント (1)
■無題
はじめまして、私もエンジニアです。
本書を読みましたのでトラバさせてください。
http://homepage1.nifty.com/kazkobayashi/
投稿者: kaz0775 | 2005年03月16日 22:39
日時: 2005年03月16日 22:39