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サイコロの確率と格闘する ~一般の場合~(1)

 【問題】
さいころをn個投げたとき、目の和がkの倍数になる確率 a(k,n) を求めよ。

 という問題に取り組んでいます。
 昨日までの段階で、kの値が4、5、8の場合について、答えを導出することができました。
 
 ・・・さて、ここに来て、とある一つの発見をしました。
 一般的なkの値の場合についての発見です。
 kが4、5、8の場合の、答えの導出の過程を見ていて気づきました。
 
 それは、
 
 結果は、固有値のn乗の和を、kで割ったものになっている。
 
 というものです。
 
 したがって、ここから、以下の予想が立てられます。
 
【サイコロの確率に関する予想】
 さいころをn個投げたときの、目の和がkの倍数になる確率 a(k,n) は、確率の遷移を x(n) = A * x(n-1) のように表現したときの、確率行列Aの固有値 λ0, ... ,λkを使って、

a(k,n) = (1/k)×( λ0n + ... + λkn )

と書ける。

 もしこれが本当だとすると、かなり感動ですね。。
 
 はたして、kの値が4、5、8以外の場合についても、上記の予想は当たっているのか?
 チェックしてみました。
 k=2、3、6、7の場合については、比較的容易に答えを出すことができるので、上記の予想から得られる答えと一致しているかどうか見てみます。(参照:出題元

【k=2の場合】
 確率行列は、
 
A = |1/2 1/2|
    |1/2 1/2|

 です。この固有多項式は、(x-1) x です。
 ですから固有値は、λ0 = 1, λ1 = 0 となります。
 よって、
 
a(2,n)
= (1/2)×( λ0n + λ1n )
1/2

 おお、確かに正しい答えが出ています。


【k=3の場合】
 確率行列は、
 
    |1/3 1/3 1/3|
A = |1/3 1/3 1/3|
    |1/3 1/3 1/3|

 固有多項式は、- (x-1) x2 です。
 固有値は、λ0 = 1, λ1 = 0, λ2 = 0 となります。
 λ1, λ2 は重根ですが、別個のものとして扱います。
 (ゼロなのでここでは意味はないです。)
 
a(3,n)
= (1/3)×( λ0n + λ1n + λ2n)
1/3

 k=3の場合もオーケーです。


【k=6の場合】
 確率行列は略。
 固有多項式は、 (x-1) x5 です。
 固有値は、λ0 = 1, λ1 = λ2 = λ3 = λ4 = λ5 = 0 となります。
 よって、

 a(6,n)
= (1/6)×( λ0n + λ1n + λ2n + λ3n + λ4n + λ5n)
1/6

 k=6の場合もオーケー。


【k=7の場合】
 確率行列は、
 
    | 0 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6|
    |1/6  0 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6|
    |1/6 1/6  0 1/6 1/6 1/6 1/6|
A = |1/6 1/6 1/6  0 1/6 1/6 1/6|
    |1/6 1/6 1/6 1/6  0 1/6 1/6|
    |1/6 1/6 1/6 1/6 1/6  0 1/6|
    |1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6  0|

 固有多項式は、 -( x-1 ) ( x+1/6 )6 です。
 固有値は、λ0 = 1, λ1 = λ2 = λ3 = λ4 = λ5 = λ6 = -1/6 となります。
 よって、

 a(7,n)
= (1/7)×( λ0n + λ1n + λ2n + λ3n + λ4n + λ5n + λ6n)
= (1/7)×( 1+6×(-1/6)n)
(1/7)×( 1-(-1/6)n-1)

 よって、k=7の場合も予想が正しいことが示せました。


 どうやら、kの値が8までの全ての場合について、上記の予想は正しいようです。
 はたしてkが9以上の場合についても、この予想は当たっているのか?
 だとすれば、それは証明可能なのか?
 固有値そのものは、kにどのように依存するのか?
 難問が山積みとなってしまいましたが、ひとまず面白い予想が立てられたので、非常に満足です。

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コメント (2)

マスオ:

■すご~い!!
お久しぶりです。出題元です。
行列がn≧8のときも、

| 0 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6|
|1/6  0 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6|
|1/6 1/6  0 1/6 1/6 1/6 1/6|
|1/6 1/6 1/6  0 1/6 1/6 1/6|
|1/6 1/6 1/6 1/6  0 1/6 1/6|
|1/6 1/6 1/6 1/6 1/6  0 1/6|
|1/6 1/6 1/6 1/6 1/6 1/6  0|

の形で、0が左から増えていくだけのものであることにはたどり着いていたのですが、「固有値のn乗の和を、kで割ったものになっている。」
ところまでは気づきませんでした。

相変わらず高校生の発想で申し訳ないのですが、帰納法で示せそうな気がします。
今後の結果を楽しみにしています。


http://www.kjps.net/user/kakuritsu/
riverplus:

■ラスボスの問題という感じ。。
 どうもこんにちは^^
 k=8の場合も導出できたし、その上なかなか面白い予想も出すことができました。

 とりあえず、いまのところは、
・k≧9の場合でも予想通りの値が出ているか確認
・確率行列の固有値の一般形について何かいえる? の検討
 を考えてみています。
 
 やはり後者がいちばんの花形ですよね。
 それこそ、ずばりと予測して帰納法で証明! ができれば素晴らしいと思います。
 ・・そろそろダンボール箱の中から、線形代数学の教科書を引っ張り出してくるときかもしれません

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