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さいころをn個投げたとき、目の和が4の倍数になる確率

解けたので、記念に。


【問題】
さいころをn個投げたとき、目の和が4の倍数になる確率 a(n) を求めよ。


【解答】
さいころを n 個投げたときの目の和が
4で割って1余る数になる確率を、b(n) とおきます。
同様に、4で割って2余る数になる確率を c(n)、
4で割って3余る数になる確率を d(n) とおきます。

a(n),b(n),c(n),d(n) を、それぞれ a(n-1),b(n-1),c(n-1),d(n-1) を
用いて表します。
つまり、確率漸化式を立てます。
n 個のさいころの目の和が4の倍数になるというのは、以下の場合です。
・(n-1) 個のさいころの目の和が4の倍数で、
さらにそこからもう1個ふったさいころが「4」のとき。
・(n-1) 個のさいころの目の和が4で割って余り1の数で、
さらにそこからもう1個ふったさいころが「3」のとき。
・(n-1) 個のさいころの目の和が4で割って余り2の数で、
さらにそこからもう1個ふったさいころが「2」または「6」のとき。
・(n-1) 個のさいころの目の和が4で割って余り3の数で、
さらにそこからもう1個ふったさいころが「1」または「5」のとき。

したがって、a(n)は次のように表すことができます。
a(n) = (1/6)×a(n-1) + (1/6)×b(n-1) + (2/6)×c(n-1) + (2/6)×d(n-1) ... ①

同様に、b(n),c(n),d(n) は次のように表せます。
b(n) = (2/6)×a(n-1) + (1/6)×b(n-1) + (1/6)×c(n-1) + (2/6)×d(n-1) ... ②
c(n) = (2/6)×a(n-1) + (2/6)×b(n-1) + (1/6)×c(n-1) + (1/6)×d(n-1) ... ③
d(n) = (1/6)×a(n-1) + (2/6)×b(n-1) + (2/6)×c(n-1) + (1/6)×d(n-1) ... ④

ところで、確率の性質から、
a(n)+b(n)+c(n)+d(n) = 1 ... ⑤
は明らかです。
また、①-②+③-④ を計算すると、
a(n)-b(n)+c(n)-d(n) = 0 ... ⑥
となることが分かります。
よって、⑤+⑥ を2で割って、
a(n)+c(n) = 1/2 ... ⑦
が得られます。

①+i×②-③-i×④ を計算すると、( i は虚数単位。)
a(n)+i×b(n)-c(n)-i×d(n) = -(1-i)/6 × ( a(n-1)+i×b(n-1)-c(n-1)-i×d(n-1) )
よって、数列 {a(n)+i×b(n)-c(n)-i×d(n)} は、
初項 a①+i×b①-c①-i×d① = 1/6+i×2/6-2/6-i×1/6 = -(1-i)/6
公比 -(1-i)/6 の等比数列となることが分かります。よって、
a(n)+i×b(n)-c(n)-i×d(n) = { -(1-i)/6 }n
が得られます。

さらに、
a(n)+i×b(n)-c(n)-i×d(n)
= { -(1-i)/6 }n
= (-√2/6)n × { cos(-45)+i×sin(-45) }n
= (-√2/6)n × { cos(-45n)+i×sin(-45n) } ... ⑧
最後の1行は、ドモアブルの法則を使っています。

同様に、 ①-i×②-③+i×④ を計算することで、
a(n)-i×b(n)-c(n)+i×d(n) = -(1+i)/6 × ( a(n-1)-i×b(n-1)-c(n-1)+i×d(n-1) )
が得られます。よって、
a(n)-i×b(n)-c(n)+i×d(n)
= { -(1+i)/6 }n
= (-√2/6)n × {cos(45n)+i×sin(45n)} ... ⑨

⑧+⑨ を2で割って、
a(n)-c(n) = (-√2/6)n × cos(45n)

この式と、⑦より、
a(n) = 1/4 + (1/2)×(-√2/6)n × cos(45n) ... (答)

これが答えです。


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ちなみに、行列を用いて、
①②③④は、次のように書くことができます。
|a(n)|  | (1/6) (1/6) (2/6) (2/6) | |a(n-1)|
|b(n)| = | (2/6) (1/6) (1/6) (2/6) | |b(n-1)|
|c(n)|  | (2/6) (2/6) (1/6) (1/6) | |c(n-1)|
|d(n)|  | (1/6) (2/6) (2/6) (1/6) | |d(n-1)|
この4×4の行列に対し、固有値を求めると、
1, 0, -(1-i)/6, -(1+i)/6
が得られます。それぞれの固有値に対応する固有ベクトルは、
(1, 1, 1, 1), (1, -1, 1,-1), (1, i, -1, -i), (1, -i, -1, i)
となります。
上記の解説で出てきた、
①-②+③-④ や、①+i×②-③-i×④ や ①-i×②-③+i×④ といった計算は、
この固有ベクトルから導いたものです。
Aを行列、λを固有値、uを固有ベクトルとすると、
Au = λu
となるからです。

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コメント (2)

774:

■無題
ハジメマシテ。いちおー受験生です(あと二週間で前期日程…)高2の時この問題をネットで知って以来、4次行列のn乗を求めるため大学の範囲の勉強やったりイロイロやったんですけど、結局答えだすのに一年間かかって昨日解けました。んで、答え合わせしようとネットで検索したら出題元以外に、このページを発見しました。スゲー複雑な気分です(笑)

rivplus:

■感服ですm--m
この問題、解答の理解は高校数学の知識で可能なものの、それを自分で作るとなると、行列のn乗のところで大学の数学の知識が必要になってしまうんですよね。
大学数学に踏み込んで、ご自身の力で答を出されたというのは本当にスゴいと思います。まいりました。

受験の方も、余裕で合格なされると信じております^^

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